コロナ禍に突入して早2年。
この間に様々な企業では働き方が、個人においては仕事への価値観が大きく変わったのではないでしょうか。
さて今回は、大きく変化した労働市場で様々な影響が出ているというお話です。

東京の生態系が大きく変わるかも!?
都心でも人口流出の衝撃
コロナ禍で定着したテレワークによって、一等地のオフィスビル需要に変化があります。
都内各所の再開発により、オフィスビルが大量に供給される「2023年問題」が目前に迫る中、東京は新しい需要開拓が必要になりそうです。
東京が減退するかもしれない。
そんな不安を抱かせる統計が総務省より発表されました。
住民基本台帳に基づく2021年の「人口移動報告」で公表されたデータによると、東京23区から転出した人の数が転入者を1万4828人も上回り、神奈川県や埼玉県などの近隣県に都民が流出したことが分かりました。
実際に東京から千葉へ転居した方によると、テレワークの定着でオフィスに出勤する必要性が減り、それならばと家賃や物価価格の安い地域に住んだ方がよいと考えたそうです。
コロナ禍で加速した働き方改革が、人々に東京脱出の選択肢を与えています。
東京駅前のオフィスが埋まらない
東京ミッドタウン八重洲。
東京駅前で建設が進む地上45階建ての超高層ビルを中心とした街区では、8月の完成間近にも関わらず、目玉の超高層ビルのオフィスフロアのうち半分程度しかテナントが決まっていないそうです。
コロナ前であれば、一等地の大型新築ビルは売り手市場でしたが、昨今の情勢ではテナント集めに苦戦を強いられているそうです。

↑東京ミッドタウン八重洲
これは、テレワークを導入し出社率を大幅に抑えたことで、確保するオフィスの床面積を削っても問題ないと考える企業が増えたからです。
実際にNTTグループでは、6月に基本的な勤務地を「自宅」などに定め、出社を「出張扱い」とする新ルールを発表したことが話題になりました。
変わり種の賃貸手法 「曜日貸し」とは?
逆風の中、不動産業界も市場の悪化に振り回されるだけではありません。
新たな需要を取り込もうと、変わり種の賃貸手法も現れました。
その一つが「曜日貸し」です。
これは曜日別に貸し出すレンタルオフィスで、シェアオフィスほど自由ではないが、常時オフィスを借り続けるほどのニーズがない企業にとって新たな選択肢になり得ます。
企業側も「コミュニケーションや、ブレーンストーミングの機会を設けたい」という声や、フルリモート体制のIT企業においても週に1回は一堂に会して意思疎通をとらないと仕事のパフォーマンスが上がらないと考える意見があることが背景です。
このように用途を変えてでも利用者を呼び込み、活性化につなげる手法を「コンバージョン」と呼び、徐々に裾野が広がっています。
新たな戦略で需要を開拓することが重要になっています。
世界都市ランキング3位の東京
森記念財団都市戦略研究所が2008年から毎年発表している「世界都市ランキング」。
世界の主要48都市のうち、東京は2016年にパリを抜いて以来、3位を維持しています。
さらに20年に東京五輪・パラリンピックの開催を決めたことが、高く評価された理由の一つだそうです。

飲食店の多さで輝く東京
同ランキングでは、①経済②研究開発③文化交流④移住⑤環境⑥交通アクセスの分野からなるスコア合計点で決まります。
東京の場合、ハイスコアが目立つのが「食事の魅力」や「飲食店の多さ」といったグルメに関する指標です。
世界のレストランを評価する仏ミシュランの星を獲得したレストランの数は東京が203店。
これはパリ(118店)の1.7倍で、東京は実のところ、世界一のグルメ都市だったのです!
ロンドンとニューヨークの2強
一方、頭一つ抜けているのが1位のロンドン、2位のニューヨークです。
この2大都市と東京の違いは何か。
まず、ロンドンの強みは「文化・交流」分野で14年連続で首位を維持。
個別指標では「美術館・博物館数」、「コンテンツ輸出額」などの指標が高く、歴史・文化力に加えて、クリエーティブ産業の育成に力を入れたことが功を奏したとされています。
次に、ニューヨークの強みは「経済」「研究・開発」にあります。
個別指標では「証券取引所の株式時価総額」「研究者数」「研究開発費」が1位です。
しかし、「移住」に関しては48都市中40位と低く、賃貸料の高さや、コロナ禍での治安悪化が目立ちました。
圧倒的な魅力のない東京
グルメにおいては評価が高いものの、東京には圧倒的な強みがないとされています。
特に世界一を目指すのであれば、「経済」と「文化・交流」を伸ばす必要があるといいます。
都心の再開発でグローバル人材の住みやすいエリアを作ったり、ハイクラスホテルやエンタメ施設を整備したりと民間レベルで出来ることもあるといいます。
こうしたグローバル人材や海外投資家をいかに呼び込むことが出来るかによって今後の成長が見えてくるというわけです。
ユニコーン企業を育てて巻き返しを!
さて、経済を伸ばす必要がある東京。
しかし、世界有数の大都市東京はビジネスにおいて世界に遅れを取っています。
2010年に中国に国内総生産(GDP)を抜かれたものの、米国、中国に次ぐ世界3位を維持しています。
ただ、その経済規模とは裏腹にユニコーン企業の輩出数が相対的に少ない状況です。
ユニコーン企業とは?
ユニコーン企業とは、企業価値10億ドルを超える未上場の企業のことです。
ユニコーンという幻の生き物に例えられるほど、かつては珍しい存在でしたが、その数も年々増え続け今や世界に1100社以上あるといわれています。
22年6月下旬、米調査会社CBインサイツがまとめた「ユニコーン企業完全リスト」を見ると、中国、米国、スウェーデン、オーストラリア、英国と続きますが日本が見えません。
日本で最初の1社が確認できたのは400位台に差し掛かったあたりで、結局このリストには日本のユニコーン企業は6社だけでした。
勢いのあるスタートアップを生み続けられなければ、日本経済は尻すぼみになってしまう恐れがあるといいます。
これを回避するためには、首都・東京から変化を起こし、起業家を生み・育てるスタートアップエコシステムの構築が必要です。
大人起業家が集う街
東京都市の日本橋エリア。
今この場所が「日本橋バレー」とも称されるスタートアップの街に若返りを始めています。
路地裏にはここ5年ほどでスタートアップ向けのオフィスが急増。
その大半を運営しているのが、日本橋を創業の地とする三井不動産です。
同社は18年に「E.A.S.T.構想」を発表しました。
若き起業家たちが集まっていた渋谷や五反田、六本木など東京の西側に対し、日本橋を中心とする東京の東側を「国内最大のスタートアップ集積地に押し上げる」との目標を掲げました。
キーワードとなるのが、「大人起業家」というもので、大企業などで事業経験を積み、専門性を身に付けた会社員が業界の課題を解決するために独立する。
その後押しをすることで、スタートアップ企業を爆発的に増やそうとしています。

↑三井不動産が手掛ける日本橋オフィス
ユニコーンを生み出すにはまだ時間がかかると思われますが、数年後の躍進に期待が持てるのかもしれません。
まとめ
人口流出や、都心のオフィス需要問題など、様々な課題を抱えていることがわかりました。
その上で、多くの人を魅了し・呼び込む戦略を一丸となって考えることで魅力あるエリアとして再起動するのではないでしょうか。

変化に対応できる街への転換が必要ですね
今回の話題はいかがでしたでしょうか?
思うことがあれば是非、コメント欄に記載して頂けると嬉しいです!
ご高覧ありがとうございました。それではまた次の記事で!




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